The role of Harvey Cushing and Walter Dandy in the evolution of modern neurosurgery in the Netherlands, illustrated by their correspondence.

オランダでの現代脳神経外科発展におけるHarvey CushingとWalter Dandyの功績

 オランダでの現代脳神経外科の発展は1920年代より始まったのだが、それはHarvey CushingとWalter Dandy 2人の影響を強く受けるものであった。Cushing、Dandyと彼らオランダの弟子たちとの文通を参考にすることで、この2人の巨匠のユニークな内面を垣間見ることが出来た。
オランダの一般脳外科医であったIgnaz Oljenickは神経学者であるBernard Brouwerの支援で海を渡り、Cushingから脳神経外科を学んだのである(1927-29)。帰国後、アムステルダムでOljenickとBrouwerはオランダ初の脳神経外科部門を立ち上げたのであった。その後、彼らの診療が評判となりオランダ各地からCushingに支援を求める要望が起きたものの、おそらくOljenickとBrouwerを気遣ったためと思われるのだが、Cushingはそれらの要望を意図的に選択肢対応していった。
 一方でフローニンゲン大学病院では独自の脳神経外科部門を立ち上げるべく、1932年に外科医であったFerdinand Verbeekがアメリカへ渡ったのであった。Verbeekは最初はCushingのもとにいたが、最終的にはボランティアアシスタントという形で1934年までWalter Dandyのもとで脳神経外科の修練を積むこととなり、親睦を深めていったのであった。彼はオランダに帰国後は北部の地で脳神経外科を実践し、症例検討や助言をDandyに継続的に求めていたのである。一方でDandyもVerbeekを使者として、ヨーロッパに自身の手術方法を広めていったのであった。
 第二次世界大戦になりOljenickは地元を離れアメリカに移住しなければならなくなり、それによりオランダでのCushing schoolの直径は途絶えたのである。VerbeekはDandyの死語(1946)も彼のスタイルを伝承し続けたため、現在もオランダ脳神経外科にはアメリカの強い影響が残り続けているのである。

Groen RJM, Koehler PJ, Kloet A: The role of Harvey Cushing and Walter Dandy in the evolution of modern neurosurgery in the Netherlands, illustrated by their correspondence. Journal of neurosurgery 118:539–49, 2013

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