造影血管外漏出の治療について

状況
 3D-CTアンギオ、MRI造影
把握すべき具体的症状
 疼痛(圧痛)、腫脹、水疱、発赤
 動脈拍動、末梢の皮膚色
 知覚異常、運動障害
対処:
 初期治療
  少量であれば(テスト注入時など)
   漏出部位を温める
  多量であれば(患部に腫脹、疼痛、発赤を伴う)
   腫脹部位を冷却する
   疼痛に対して消炎鎮痛薬
   皮膚障害あればステロイド外用薬
  漏出部位を心臓より高く挙上
  2~4時間の注意深い観察
血管漏出のあった肢で血圧を測らない
末梢は別の四肢に
CT造影剤漏出であれば、レントゲン、CTにて漏出部位と程度を確認
MRI造影剤漏出であれば、MRI断層造影で漏出部位と程度を確認


*直ちに形成外科へのコンサルトが必要な場合
 イオン性で30ml、非イオン性で100ml異常の漏出
 皮膚潰瘍や水疱形成
 組織灌流の変化
 2~4時間経過後の痛みの増強
 末梢感覚の変化
*コンパートメント症候群 ~迅速な対処が必要
 強固な筋膜で区画された間隙に造影剤が多量に漏出した場合、組織圧が上昇し、神経や筋肉などの障害が生じることがある。
 典型的な5P徴候
①puffiness :                     著名な腫脹
②pain :               強い疼痛
③pulselessness :              動脈拍動の減少、消失
④pallor :                           四肢の蒼白
⑤paralysis :                     知覚異常運動障害
血液検査では、CPK,LDH,GOTの上昇が発症初期から認められる。

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